北朝鮮の“秘密部隊”「喜び組」とは? 脱北女性が語る驚愕の実態

2024年5月、英国メディア「ミラー」によって、またひとつ北朝鮮の衝撃的な実態が明るみに出ました。報道の中心となったのは、脱北女性・박연미(パク・ヨンミ)氏による証言です。

脱北者女性のパク・ヨンミ氏
パク・ヨンミ氏

彼女は、「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が毎年25名の若い女性を“喜び組(Pleasure Squad)”として選抜し、個人的な接待に利用している」と述べています。

  1. 北朝鮮の「喜び組」はどう選ばれるのか?

パク氏によると、彼女自身もかつて“候補者”として2度リストに挙がった経験があるものの、家族の地位によって最終的に除外されたといいます。候補選定は、政府職員が直接学校の教室や運動場を訪れ、美しい少女を見つけ出すところから始まります。

見た目だけでなく、家族の政治的背景や忠誠心が重視されるため、「韓国や海外に親族がいる者」「脱北者を家族に持つ者」は即座に排除されるとのことです。

また、厳格な健康診断も実施され、傷跡や小さな欠陥すらも選考の対象外となる場合があるという徹底ぶりです。

  1. 「喜び組」の起源と進化

パク氏は北朝鮮の「喜び組」の歴史についても語っています。

この制度は金正恩の父・金正日(キム・ジョンイル)が1970年代に考案したとされ、当初は金日成(キム・イルソン)主席が利用していた保養地に美しい女性を送り込んだことが始まりだったそうです。

1983年には、金正日自身のための「第2の喜び組」が創設され、その後、金正恩体制でも引き継がれてきました。

  1. 三つのグループに分かれる内部構成

パク氏は、喜び組の内部は3つのグループに分かれていると証言しています。

  1. マッサージ班:金委員長や高官へのマッサージ技術を習得する。
  2. 歌舞班:歌や踊りを専門とし、モランボン楽団のように公開パフォーマンスを行うことも。
  3. 性行為班:金正恩や特定の男性幹部と性的関係を持つことを“任務”とされている。

「彼女たちの唯一の目的は、男性を満足させること」とパク氏は述べており、魅力的な女性たちは金正恩に仕え、その他の女性は将軍や政治家の“接待”役にあてがわれるとされています。

  1. “理想の女性像”も異なる

また、三代の指導者たちはそれぞれ好みが異なるため、選抜基準にも違いがあるそうです。

  • 金日成:制度の発端を作った人物。
  • 金正日:小柄な体格ゆえに「160cm以上でありながらも背が高すぎない女性」を好んだ。
  • 金正恩:スリムで西洋的なルックスの女性を好むといわれている。

5.北朝鮮の裏側に光を当てるために

私たちがニュースでは知り得ない“もう一つの北朝鮮”。その裏側では、少女たちの未来や人権が犠牲にされています。

このような証言が公になるたびに、多くの人が驚き、怒り、そして無力感に襲われるかもしれません。しかし、知ること、伝えること、関心を持ち続けることが、今できる最初の一歩です。

※本記事は公開された報道と証言に基づき構成されたものであり、読者の良識と判断に委ねられます。

最新記事